卵を割る作業は単純な仕事のようですが、生命に係る重要
な作業です。
通常、卵による集団食中毒(大腸菌、サルモネラ菌)は、
卵の外殻(カラ)に付着している微量の菌が、割卵(卵割り)の
とき中身に入り時間とともに急速に増殖して起こります。
卵は鳥の卵管を通って産卵されますが、菌を保有している鳥から産卵されたとき、鳥が持っている菌の混ざった排泄物が付着します。
養鶏場で卵を出荷するときに温水やブラシで洗卵しますが、完全に殺菌はできません。
大量に卵を搬送するトレー等にもキンは付いておりますから、手割りをするとどうしても卵の中身に菌が入りやすくなります。
産卵されたばかりの卵の表面にクチクラ層と呼ばれる膜があり内部に雑菌が侵入しないようになっていますが、養鶏場で出荷の際洗卵すると、クチクラがはがれて気孔を通って雑菌が侵入しやすくなります。
卵白の中では菌はそんなに増殖しませんが、卵黄が混ざると急速に増殖します。
その速度は常温(20度)で大腸菌が2分で2倍、サルモネラ菌が1分間で2倍に達します。
冷蔵すればずっと遅くなりますが、割卵後の管理の大切さがわかると思います。
卵の調理は、新鮮な卵を必要なだけ割卵するのが大切です。